令和の時代を読む前に、過去の元号の時代を振り返り編、
今回は大正です。
明治天皇が崩御されたのは、1912年7月29日22時43分。
けれども、日付が変わるまで一時間少々しかなく、
践祚の儀式を崩御当日に行うことができないため、
崩御と践祚の儀式が日にちをまたぐのを避けて、
崩御の時間を2時間後の7月30日0時43分と公表したそうです。
そして、7月30日に改元の詔書が公布・即日施行され、
この日が「大正元年」となったそうです。
なので、この日は、明治の最後の日であり、大正の最初の日ということになります。
大正は、わずか15年しかなかったのですが、
「大正デモクラシー」の時代であり、モダンな文化が華やかに花開き、
そして、「新しい女」が登場して女性が社会に進出する一方、
第一次世界大戦後の世界恐慌や、関東大震災を体験した時代でもありました。
短いけれど、濃密な時代だったんですね。
私のイメージでは、大正といえば「大正デモクラシー」と、
「モボ・モガ(モダンボーイ、モダンガール)」。
人物で浮かんでくるのは、竹久夢二。
明治時代が国家ぐるみで、しゃにむに変容を果たしていったのに比べて、
大正は、一般の民衆が個に目覚めて、文化的な生活を楽しむようになった時代の印象です。
大正
1912年7月30日00時00分
チャートを出して、ぱっと目にとびこんできたのが、天頂(MC)に重なる月。
月は、一般民衆、そして女性を司ります。
そして、サインは、未来への変革の星・天王星を支配星にもつ水瓶座!
大正時代に、人々が生活を近代化させて大衆文化が花開き、
女性の解放をうたう平塚雷鳥(雷鳥は水瓶座生まれ)ら「新しい女たち」が登場し、
女性の社会進出がすすんでいった様子が、象徴的に表れています。
まさに、民衆と女性が目立った時代。
アセンダントは生活を豊かに楽しむ牡牛座。
その支配星の金星は、太陽と重なって、個を表現する獅子座にあり、
家庭生活を表す4ハウスに入るのは、大衆文化が花開いた時代の特色と重なり合います。
その意識が天頂の月ともつながっているのです。
☆☆☆
そして、政治的な面でいえば「大正デモクラシー」。
大正デモクラシーは、大正時代に起きた民主主義を進める運動の
総称や風潮といったところでしょうか。
政府を表す10ハウスMCに、月(民衆)が重なって、そして水瓶座というのは、
変革的な民衆によって政治が動かされやすかった、
あるいは、民衆の意思を反映して政治変革が行われやすかった状況を表すかと思います。
この時代の初めの大正2年に「大正政変」が起こり、大衆運動によって内閣が倒され、
大正7年には、「平民宰相」とあだなされ、平民政治家を意識した原敬によって、
日本初の本格的な政党内閣による政治が行われました。
普通選挙の実現を求める風潮も高まり、大正14年には普通選挙法が制定されました。
また、法や思想を司る9ハウスには、天王星(MCの支配星)が入ります。
新たな自由民主を求める思想の広がりによって、法が改正され、
政治状況に影響を与えたこともうかがえます。
☆☆☆
対外的な関係を表す7ハウスには、発展や拡大を表す木星。
大正時代初期に、第一次世界大戦が起こり、
日本も出兵して戦死者を出すものの、本土に被害はなく、
戦勝国の一員となり、国際的な地位を高めていきました。
しかし、積極的に植民地を広げようとした姿勢は、
中国やアメリカとの対立を深めていく結果にもなりました。
そして、7ハウスの支配星の冥王星は、2ハウスにあります。
第一次世界大戦ののち、日本は貿易が加速し好景気となり、財政難を克服しました。
しかし、やがて国際的な世界恐慌のなかで、大不況を迎えます。
対外的な関係のなかで(冥王星は7ハウスを支配)、
かつてない好景気と不景気を迎えるのは、2ハウスの冥王星ですね。
☆☆☆
また、アセンダントには土星が重なっています。
この土星は、国民にいろいろな苦労を強いた時代とも読めますし、
日本という国のイメージとして、忍耐しつつ、着々と足固めをしたとも読めます。
そして、土星は、7ハウスの木星とオポジション。
5ハウスのカスプに重なる水星・火星とTスクエア。
日本という国のイメージ(立場)をしっかり築こうとする土星と、
対外的に日本の勢力を広げようとする木星のあいだに、強い緊張感と推進力があります。
また、この土星と木星のオポジションは、
3ハウス側からICに重なる太陽、MCに近い9ハウスの天王星と、
ミスティック・レクタングルを形作ります。
レクタングルを形成する4つの惑星は、ゆるくアングルに重なるので、
大正という時代が、わずか15年という短さでありながら、
激動の時代であり、強い印象を残した時代であることがわかります。
このミスティック・レクタングル全体で、
大正時代の日本が、国際的な関係(戦争や輸出入など)のなかで、
日本という独立国家の立場をかため、地位を向上させようとした努力を表すかと思います。
レクタングルのなかの獅子座太陽・金星(アセンダントの支配星)と、
天王星のオポジションは、個としての強烈な独立・自由志向。
上で書いたように、これらは、大正時代の国民的な文化や運動に表れるとともに、
日本という国のありかたとしても表れていたのですね。
大正時代にそれらがある程度は成功するものの、
さまざまな課題を残し、残念ながら昭和前半の軍国化への道を進んでいきます。
☆☆☆
最後に、3ハウスの海王星。
この海王星はノーアスで目立ちます。
そして、サインは心、情緒と関連する蟹座です。
これは、ずばり「大正浪漫(ロマン)」!
大正時代は、さまざまなメディアが発達し、
一般の人々も大衆紙で世間の情報をキャッチし、
文芸や文化、芸術に親しむようになりました。
大正文化は、抒情的でハイカラ、そして退廃的。
3ハウスのノーアス海王星(蟹座)のイメージにぴったりです。
竹久夢二の世界ですね^^。
大正だけで、ずいぶん長くなってしまいました。
明治は、改元発表時に、時期を数ヶ月さかのぼって改元しているので、
今回ははずします。(ただ、後から改元初日とされた日の0時の図も、
不思議と明治の時代の特徴を表しているように感じました)
というわけで、次回は、やっと令和です!
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